水道使用量の検針で「漏水の疑いがあります。」と言われることがあります。どこも使用していないのに水道メーターのパイロットが僅かに回っている状態です。まず最初に疑う箇所はトイレです。これを確認する方法は、パイロットが回っている状態でトイレの止水栓を閉めてみます。パイロットの回転が止まれば漏水箇所はトイレです。
タンクの中を見て、オーバーフロー管(排水弁の筒)から水が流れ込んでいたり、オーバーフロー管スレスレの状態でしたらボールタップの不具合になります。オーバーフロー管(排水弁の筒)よりも水位が低いのにチョロチョロと止まらない時は、フロートバルブの不具合が考えられます。どちらかが悪くなったら同じように劣化しているので、両方交換するのが望ましいです。
この記事を読んで分かること
自分で直す難易度
ボールタップの交換方法が分かる
TOTOタイプのフロートバルブの交換方法が分かる(INAXタイプは記事内にリンクあり)
■ もくじ
使用する道具
使用する道具
- マイバスドライバー(ドライバー式止水栓の場合)
- モンキーレンチ
古いボールタップとフロートバルブを取り外す
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1止水栓を閉める
ハンドル式またはドライバー式止水栓を時計回りに閉めます。今まで止水栓を回したことがないと、固くて回らないことが良くあります。その場合はこちらの記事をご覧下さい。
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2ロータンクの蓋を外す
ココに注意
手洗い管がプラスチック製の場合は絶対に手洗い管を持ちながら作業しないで下さい。根元からスッポ抜けたり折れたりすることがあります。金属製は掴んでも大丈夫です。
ボールタップと接続されているプラスチックの袋ナットを反時計回りに回して外します。ここがゴムになっている場合はそのまま引き抜きます。
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3古いボールタップを取り外す
片手でボールタップを押さえながら袋ナットを反時計回りに外します。次にボールタップを固定しているロックナットを反時計回りに外します。
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4古いフロートバルブを取り外す
TOTOのフロートバルブは、排水弁部の突起に2箇所引っ掛けるように取り付けてあります。ただ引っ張っぱるだけでは外れないので、ゴムの下側を45度上にずらすようにして外します。
新しいフロートバルブを取り付ける
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1サンエイの万能フロートバルブを取り付ける
これはサンエイのフロートバルブです。フロートバルブはTOTO製品の呼称です。サンエイではロータンクゴムフロートという製品名です。TOTOの他、同じ仕組みのタイプであれば、他のメーカーにも対応します。三か所の取付用の穴があり、各メーカーの仕様に合わせて万能に取り付ける事ができます。
パッケージにTOTO用の穴の位置が記されていますので、正しい穴に取り付けます。フロートバルブを取り付けたら次に鎖をレバーに引っ掛けます。
ココがポイント
鎖の長さの調整は重要です。ビンと張リ過ぎるとバルブが浮いた状態になってしまい、逆に遊びが多過ぎるとレバーの「小」側にしても水が排水されないので、レバーを動かしながら丁度良いところでつなぎます。ボールチェーンの球2つ分くらいの遊びがあると丁度良いです。
INAXのフロートバルブ(INAXではフロートゴム玉と言います)の交換方法はこちらをご覧ください。
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新しいボールタップを取り付ける
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1サンエイの万能ロータンクボールタップ
タンクには手洗い管あり、手洗い管が無し、補助給水あり、水量調整ありなど様々なタイプがあります。通常はそれぞれのタイプに適合するボールタップを取り付けますが、形も色々あり高額なものもあります。
ここではネットやホームセンターで手に入れやすい、サンエイの万能タイプロータンクボールタップを取り付けます。どんなタイプにの対応するボールタップです。コストパフォーマンスも最高です。
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2ボールタップを取り付ける
箱の中にはボールタップ本体、ジャバラの手洗い管接続ホース、補助給水用チューブなどが同梱されています。ロータンクのタイプにより使わない部品もありますので取扱説明書をみながら組み立てます。今回は手洗い管あり、補助給水なしのタイプのロータンクです。
▲下手クソでとても分かりづらいイラストで説明します。
左側の給水管は左右に多少は動きますが、ほとんど遊びが無くて動かすことができません。ボールタップを先に固定してしまうと、給水管との位置がズレてしまうことが良くあります。位置が少しでもズレてしまうと給水管の袋ナットが接続できなくなってしまいます。ナットは完全に締め付けずに本体が動かせる程度に遊びを持たせておきます。
給水管の袋ナットを手締めで3~4ネジ締めたら、ボールタップ本体を本締めで固定し、その後、袋ナットを本締めします。
ココに注意 その1
ここで一番気を付けることは、ボールタップのネジ山がつぶれないように接続することです。少しでもズレている場合は無理やり接続しないようにしてください。
ココに注意 その2
本締めする時はボールタップが動かないように、片手で固定しながら締め付けて下さい。動いたことに気が付かないと、浮きの部分がタンクに当たり、正常に作動しなくなります。(パッキンの交換も忘れずに)
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3水量調整をする
フロートバルブとボールタップの交換が終わったら、止水栓を開き、蓋をしない状態でタンクに水を溜めます。ジャバラの先端が踊って水を撒き散らかさないように手で下に向けて下さい。
給水が止まったら水量が適切か確認します。排水弁部の上の方に「WL(ウォーターライン)」の表示とラインがあります。ラインにピッタリでしたら調整の必要はありません。ラインをオーバーしていたり、ラインよりも低い場合は、水量調整をドライバーで回して調整します。適切な水量になったら、給水管などから水漏れしていないか確認します。
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4タンクの蓋をはめる
ジャバラは先端のゴムをはめるだけです。外れないようにしっかりとはめます。はめたら静かに蓋を置きます。
【ボールタップとフロートバルブの交換方法】まとめ
ボールタップはロックナットと袋ナットを外すだけ、フロートバルブは排水弁のツメ2箇所に引っ掛けてあるだけです。両方とも簡単に交換することができます。但し、気を付けないといけないポイントはありますので、本文を参考にして交換してみて下さい。
今回は古いタイプのロータンクでメーカー問わず取り付けられる、サンエイの万能ロータンクボールタップと、TOTOタイプのサンエイのロータンクゴムフロートへの交換取り付け方法について説明しました。最近のTOTOやLixilのロータンクには取り付けることができません。それぞれ専用部品の交換になります。