水道使用量の検針で、「漏水の疑いがあります。」と言われたことはありませんか?メーターを見るとパイロットが僅かに回っている状態。まず最初に疑う場所はトイレです。タンクのフタを開けて水が止まっていても、中心にある筒(排水弁部オーバーフロー)の上面すれすれまで水が溜まっている場合は、ボールタップ不具合による漏水の可能性が高いです。
水位が筒よりも低いのにチョロチョロと止まらない時は、フロートバルブの不具合が考えられます。どちらかが悪くなったら、同じように劣化しているので、両方交換するのが望ましいです。
ここではTOTOのボールタップとフロートバルブの交換のお話しです。ボールタップの交換はINAXも共通ですが、フロートバルブ(TOTOの呼称)の形や仕組みも違います。INAXについてはこちらの記事をご覧ください。
-
かんたん!INAXのフロート弁のフロートゴム玉を交換する方法
続きを見る
かんたんな作業なので、節約のために自分で直しましょうね!
もくじ
使用する道具
- マイナスドライバー(ドライバー式止水栓の場合)
- モンキーレンチ
古いボールタップとフロートバルブを取り外す
止水栓を閉める
ハンドル式またはドライバー式止水栓を時計回りに閉めます。今まで止水栓を回したことがないと、固くて回らないことが良くあります。その場合はまず、こちらの記事をご覧下さい。
-
【解決!】自分で直す!止水栓が固くて回らない|直す方法
続きを見る
ロータンクの蓋を外す
ココに注意
この時、手洗い管がプラスチック製の場合は、絶対に手洗い管を持ちながら作業しないで下さい。根元からスッポ抜けたり、折れたりすることがあります。金属製は大丈夫です。
ボールタップと接続されているプラスチックの袋ナットを、反時計回りに回して外します。袋ナットではなくてゴムがはめてある場合はゴムを外します。
古いボールタップを取り外す
片手でボールタップを押さえながら、袋ナットを反時計回りに外します。次にボールタップを固定している締め付けナットを外します。ボールタップを外して、タンクにパッキンが張り付いていたら、すべてキレイに除去します。
古いフロートバルブを取り外す
TOTOのフロートバルブは、排水弁部の突起に2箇所引っ掛けるように取り付けてあります。ただ引っ張っぱるだけでは外れないので、ゴムの下側を45度上にずらすようにして外します。

新しいフロートバルブを取り付ける
サンエイの万能フロートバルブ
これはサンエイ水栓のフロートバルブです。冒頭で記したようにフロートバルブはTOTO製品の呼称です。サンエイではロータンクゴムフロートという製品名です。TOTOの他、同じ仕組みのタイプであれば、他のメーカーにも対応します。三か所の取付用の穴があり、各メーカーの仕様に合わせて万能に取り付ける事ができます。
パッケージにTOTO用の穴の位置が記されていますので、正しい穴に取り付けます。フロートバルブを取り付けたら次に鎖をレバーに引っ掛けます。
ココがポイント
鎖の長さの調整は重要です。ビンと張リ過ぎるとバルブが浮いた状態になり水漏れするし、逆に遊びが多過ぎるとレバーの「小」側にしても水が排水されないので、レバーを動かしながら丁度良いところでつなぎます。ボールチェーンの球2つ分くらいの遊びがあると丁度良いです。
新しいボールタップを取り付ける
サンエイの万能ボールタップ
タンクには手洗い管あり、手洗い管が無し、補助給水あり、水量調整ありなど色々なタイプがありますが、通常はそれぞれのタイプに合うボールタップを取り付けます。形も色々あって高額なものもあります。
タンクの型番を調べてボールタップを探すのは面倒です。そこで色々なタイプに対応する、サンエイの万能タイプのボールタップを取り付けます。コストパフォーマンスも最高です。
ボールタップを取り付ける
箱の中にはボールタップ本体、ジャバラの手洗い管接続ホース、補助給水用チューブなどが同梱されています。それぞれのタイプにより、使わない部品もありますので、取扱説明書をみながら組み立てます。今回は手洗い管あり、補助給水なしのタイプです。ボールタップを取り付けます。
▲下手クソでとても分かりづらいイラストで説明します。
左側の給水管は左右に多少は動きますが、ほとんど遊びが無くて動かすことができません。ボールタップを先に固定してしまうと、給水管との位置がズレてしまうことが良くあります。位置が少しでもズレてしまうと給水管の袋ナットが接続できなくなってしまいます。ナットは完全に締め付けずに、本体が動かせる程度に遊びを持たせておきます。
給水管の袋ナットを手締めで3~4ネジ締めたら、ボールタップ本体を本締めで固定し、その後、袋ナットを本締めします。
ココに注意 その1
ここで一番気を付けることは、ボールタップのネジ山がつぶれないように接続することです。少しでもズレている場合は無理やり接続しないようにしてください。
ココに注意 その2
本締めする時はボールタップが動かないように、片手で固定しながら締め付けて下さい。動いたことに気が付かないと、浮きの部分がタンクに当たり、正常に作動しなくなります。(パッキンの交換も忘れずに)
水量調整をする
フロートバルブとボールタップの交換が終わったら、止水栓を開き、蓋をしない状態でタンクに水を溜めます。ジャバラの先端が踊って水を撒き散らかさないように、手で下に向けて下さい。
給水が止まったら水量が適切か確認します。排水弁部の上の方に「WL(ウォーターライン)」の表示とラインがあります。ラインにピッタリでしたら調整の必要はありません。ラインをオーバーしていたり、ラインよりも低い場合は、水量調整をドライバーで回して調整します。

適切な水量になったら、給水管などから水漏れしていないか確認します。
タンクの蓋をはめる
ジャバラは先端のゴムをはめるだけです。外れないようにしっかりとはめます。はめたら静かに蓋を置きます。
以上、ボールタップとフロートバルブの交換のお話しでした。
