トイレを流した時に便器とタンクの間から水漏れすることがあります。ジャバジャバと目に見えて漏れる場合や、漏れた水が便器を伝わってジワジワと床に広がる場合があります。後者の場合、一見すると便器と床の間から漏れているように見えますが、便器の裏側側面が濡れていたり、便器とタンクを固定しているボルト付近が濡れている場合は、便器とタンクの間から漏れている可能性があります。
この水漏れを直すにはロータンクを外して修理を行うため、ちょっと難しい作業に感じるかも知れませんが。この記事を最後まで読んで頂き、必要な道具と部品を用意すれば、業者に依頼しなくても自分で簡単に直すことができます。
ここで説明する内容は古いタイプのロータンクと便器の間からの水漏れを直す方法です。ロータンク排水弁HH07043Zタイプの排水弁は対象外です。
この記事を読んで分かること
自分で直す難易度
タンクと便器の間からの水漏れを直す方法が分かる
■ もくじ
ロータンクと便器の間から水漏れする原因
二つの原因
- 密結パッキンの劣化
- 密結ロータンクボルトの緩み
便器とロータンクは二本の密結ロータンクボルトで固定されていますが、水漏れしないようにロータンクと便器を密結させる大きなパッキンが挟んであります。このパッキンを「密結パッキン」と言います。これが劣化すると水漏れの原因になります。また、ロータンクと便器を固定している密結ロータンクボルトが緩んで水漏れする場合もあります。
使用する道具
使用する道具
- マイナスドライバー
- プラスドライバー#2(密結ロータンクボルトが緩んでいる場合に使用)
- モンキーレンチ(ショートタイプ)
- ラクラッチ(モンキーレンチで代用可)
用意する部品
密結パッキンは2サイズあります。排水弁部オスねじ部分の内径51mm用、内径38mm用の2サイズです。内径はロータンク内のフロートバルブを上げて排水弁部の内径を計測します。またはフロートバルブの丸い部分の外径から特定することもできます。バルブの外径60mmは38mm用で、外径68mmは51mm用です。計測したサイズに合わせて部品を用意して下さい。
ロータンクと便器の間からの水漏れを直す
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1止水栓を閉める
作業する前に止水栓を時計回りに閉めます。
止水栓は普段からあまり開閉することがないため、いざ閉めようとすると固着していて全く回せないことがあります。そのような時はこちらの記事を参考にして下さい。
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2ロータンクの蓋を外す
手洗い管と繋がっている袋ナットを反時計回りに外します。黒いゴムの場合は差し込んであるだけなので、そのまま引き抜きます。
ココに注意
手洗い管がプラスチックの場合、手洗い管を掴みながら作業してしまうと、根元からスッポ抜けたり、折れたりする場合があるので、絶対に掴みながら蓋を持ち上げないで下さい。
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3ロータンク内の水を抜く
次にロータンク内の水を抜きます。レバーを開きっぱなしにして可能な限り流し、底に残っている水はウエスなどで拭き取ります。
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4ロータンクに接続されている給水管を外す
ロータンクに接続されている給水管の袋ナットを反時計回りに外します。
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5ロータンクを固定しているナットを外す
ロータンクを固定しているナットを上から見て時計回りに外します。普通サイズのモンキーレンチでも作業は可能ですが、作業スペースが狭いのでショートタイプのモンキーレンチが使いやすいですよ。上の写真のようにラクラッチがあるととても作業がはかどります。私が所有している工具の中で、作業効率が上がるベスト5に入る工具です。
2箇所のナットを外したらロータンクを持ち上げ安全な場所へ移動させます。
上の写真は撮影のために便器の上に置いていますが、ロータンクは衝撃を与えると破損してしまう可能性が高いので、バスタオルなどを敷いてその上で作業しましょう。
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6古い密結パッキンを外す
古い密結パッキンを外します。通常は普通に外すことができますが、経年劣化の進んだパッキンだと写真の様に張り付いていることがあります。マイナスドライバーなどでキレイに取り除きます。
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7新しい密結パッキンをはめる
写真の密結排水パッキンはホームセンターで入手できるサンエイの密結パッキンです。密結パッキンの裏表を間違えないように排水弁部にはめます。
ココに注意
写真ではちょっと分かりづらいですが、密結パッキンには裏表があります。パッケージに取付の向きがイラストになっていますので、確認しながら取り付けて下さい。
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8密結ロータンクボルトを増し締めする
指で摘んでみて二本のボルトが緩んでいないかを確認します。緩んでいるとグラつくのですぐに分かります。緩んでいると水漏れの原因になります。
ナットの締め付け方は、タンクの内側のネジの頭をプラスドライバーで押さえながら、モンキーレンチで時計回りに締め付けてください。
密結ロータンクボルトはタンクの内側にパッキンがあって、それを裏側からナットで締付けることにより、タンク内部の水が漏れないようになっています。このパッキンも劣化するので、増し締めして千切れてしまうようなことがある場合は、新しい密結ロータンクボルト一式を交換しましょう。
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9ロータンクを取り付ける
二箇所の密結ロータンクボルトを便器の穴の位置に合わせて慎重に置きます。多少遊びがあるくらいに密結ロータンクボルトのナットを仮締めします。給水管の袋ナットを接続する前に本締めしてしまうと、給水管の位置とズレてしまい袋ナットが回らなくなってしまうことがあるので、袋ナットを2~3ネジ回して仮締めしてから、密結ロータンクボルトのナット2箇所と袋ナットを、それぞれバランス良く締めて固定します。
一度外したパッキンは再利用すると水漏れの恐れがあるので、袋ナットのパッキンは新しいパッキンに交換します。
ココに注意
袋ナットを締める時に、ボールタップも一緒に回ってしまうことがあります。一緒に回ってしまうとボールのアームがネジのところから曲がって折れていまうことがあります。必ずボールタップを手で押さえて下さい。
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10蓋を取り付ける
ロータンクの手洗い管にボールタップの袋ナットを時計回りに締め付け蓋を置きます。
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11止水栓を開け水漏れが無いか確認する
止水栓を開けて、始めに給水管の袋ナットから水漏れしないか確認します。次にロータンクに水を溜め、レバーを少し開き水を少量流してみます。密結パッキン付近から水漏れが無いようでしたら、レバーを完全に開き一気に水を流します。水漏れが無ければ作業終了です。
【便器とタンクの間からの水漏れを直す】まとめ
最近の新しいロータンクには当てはまらない内容でしたが、古いタイプの便器を使い続けているお宅では、経年劣化は確実に進み必ず起こりうるトラブルです。昨日までは大丈夫でも、ちょっと振動や地震などで漏れることがあります。
突発的に水漏れすると慌ててしまうかも知れませんが、説明したとおり構造は単純で修理は簡単に行うことができます。この作業で気を付けることは、ロータンクを破損させないようにすることだけです。業者には依頼せず自分で直しましょう。