洗面台付近の水漏れでは、給水管、給湯管、排水トラップ、その他、様々な箇所で起こります。ここでは給水管と給湯管の水漏れを直す方法を説明します。
洗面台の給水管や給湯管は激しく漏れるような事はあまりないので、収納扉を開けた時に「なんか物が濡れてるな~」と気が付くことが殆どです。よく見ると袋ナットの上面に水が滲んでいたり、水が垂れたような跡を発見できると思います。
修理は狭いスペースで行わなければいけないので、多少は作業が困難ですが、修理自体はそれ程難しい作業ではありません。
但し、作業を行うためには必ず必要な道具があります。立形金具しめつけ工具です。モンキーレンチやウォーターポンププライヤーで代用ができなくもないですが、かなり作業が困難で、個人的な感覚では10倍以上のストレスを感じます。
立形金具しめつけ工具は必ず揃えたいところです。
もくじ
道具と材料を準備する
立形金具しめつけ工具
給水管や給湯管の上側の袋ナットを外したり締め付けをする道具です。パイプの下側の袋ナットはモンキーレンチで外しますが、上側は狭くてモンキーレンチでは作業が困難なため、縦に差し込んで作業ができる、この道具が必要になります。
モンキーレンチ
下側の袋ナットの取り外しと締め付けを行います。30mmくらいまで(正確には24mmと26mm)対応するモンキーを2つ用意しましょう。スペースが無いので1つはショートタイプのモンキーがあれば便利です。
マイナスドライバー
止水栓の開閉に使用します。
給水管パッキンセット×2セット
片側だけの水漏れであっても、もう片方が漏れるのも時間の問題なので、両方のパイプのパッキンを交換しましょう。
給水管と給湯管がメッキのパイプの場合とフレキ管の場合では、用意するパッキンに一部違いがあります。
メッキパイプの場合
メッキパイプのツバが付いていない方に肉厚のパッキンとワッシャー、ツバが付いている方に肉薄のパッキンを使用します。
フレキ管の場合
フレキ管は上下にツバが付いていますので、上下ともに肉薄パッキンを使用します。水用とお湯用のパッキンがあります。水側には黒いゴムのパッキン、お湯側にはノンアスパッキンです。
ノンアスパッキンとはノンアスベストの略で、アスベストを使用していない、厚くて固い紙のようなパッキンです。色は青、黒などメーカーにより様々です。
水とお湯のパッキンの使い分けについて、こちらをご覧ください。
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これらの道具以外に、ウエスや水を受ける小さな洗面器などを用意します。
パイプを取り外してパッキンを交換する
外したときに水が垂れてくるので、濡れてもいいように下に水受けを置いて、雑巾やタオルを敷いておきます。止水栓を時計回りに閉めます。
※写真はフレキ管です。
下側の袋ナットを、モンキーレンチで反時計回りに外します。かなり固く固着している場合があり止水栓が一緒に回ってしまうことがあるので、止水栓を別のモンキーレンチで固定しながら外します。
止水栓をモンキーで固定しながら作業を行うことはとても重要です。これについて別記事をご覧ください。
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※写真はフレキ管です。
※メッキの給水管(給湯管)の分解図です。
上側の袋ナットを立形金具しめつけ工具で下から見て反時計回りに外します。メッキの給水管(給湯管)の場合、上側は水栓の本体に差し込んであるため、そのままでは外れません。管を半回転ずらして、下側のツバを止水栓からずらして下に引き抜きます。
外したら新しいパッキンに交換します。
ココがポイント
ツバのある下側にノンアスパッキンが使われていると、経年劣化により張り付いてしまい、剥がしてもカスが残ってしまいます。水漏れの原因になるので、全てきれいに削り取ってください。
管の上側に袋ナット、ワッシャー、新しいパッキンを通したら、水栓本体に差し込んで袋ナットを2ネジくらい仮締めします。次にパイプの下側のツバを止水栓と水平の位置に合わせ、パッキンをセットしたら袋ナットを仮締めします。上下の袋ナットを交互に締め付けます。
最後に止水栓を開けて水漏れが無ければ完了です。
以上、洗面台の給水管、給湯管水漏れ修理のお話でした。
