帰宅して玄関を開けた時、洗面所で顔を洗っている時、流し台の収納扉を開けた時、何か下水臭いと感じたことは無いでしょうか。下水臭には必ず原因があります。原因を調べて臭い匂いは元から絶ちましょう。
この記事を読んで分かること
排水管の悪臭の原因が分かる
悪臭を防ぐ仕組みが分かる
■ もくじ
排水溝(口)悪臭防止のしくみ
洗面台
足元の収納扉を開けると、ポリエチレン(PE)かメッキ加工がしてある金属製のSの字のパイプがありますよね。これを排水Sトラップと言います。このS字のところには常に水が溜まるようになっていて、排水管から悪臭や虫が上がってこないような仕組みになっています。専門用語で水で封をするという意味で封水と言います。
また、排水Sトラップと床の排水管の間には防臭パッキンや排水アダプターが取り付けてあり、隙間からの悪臭や虫の侵入を防いでいます。
キッチン流し台
グレーのポリエチレン製の排水トラップが付いています。シンクの大きさやメーカーにより様々な形や大きさの排水トラップがあります。排水トラップの中には水が溜まるようになっています。そこにお椀型のカバーが取り付けてあり水封することにより臭いを防いでいます。下の写真の様な小さな排水トラップではゴミ受けのカゴが封水の役目を果たしています。
排水トラップにはジャバラの排水ホースが接続され、洗面台と同じように防臭パッキンや排水アダプターが取り付けてあります。マンションなどの場合は塩ビ管が直結接続されています。
洗濯機
洗濯機の排水は防水パンが設置してあるタイプと床に直接排水口があるタイプがあります。両タイプとも大きさは違いますが排水トラップがあり、封水して臭いが上がってくるのを防いでいます。
風呂場
洗濯機同様に排水トラップが付いているタイプと、排水口(目皿)だけのタイプがあります(古い平屋の貸家や戸建て住宅など)。上の写真はアパートのユニットバスの排水トラップです。最近の戸建て住宅やマンションでは、排水トラップの形は様々です。形は違っても仕組みや機能は同じ様なものです。
トイレ大便器
便器自体が大きな排水トラップになっています。便器の中にはいつも水が溜まっていて、汚水管からの臭いが上がってくるのを防いでいます。
外桝の排水トラップ
室内に排水トラップが設けられていない場合は、外桝の中に排水トラップが取り付けてあります。塩ビ製の丸い桝はトラップが一体式になっています。排水が流れ出てくるパイプの先端に排水エルボが上向きに取り付けてあります。こうすることで排水管内に水が溜まり封水しています。
悪臭の原因
封水の不具合
常に水が溜まっている排水トラップですが、ある現象で水が減ってしまい、封水が切れた隙間から臭いが上がってきます。
蒸発
長い間使用せずに放置していると排水トラップ内の水が蒸発してしまいます。蒸発で封水が切れて臭いが上がってきます。アパートやマンションの内覧時や入居した時に下水臭がするのはこれが原因です。
毛細管現象
排水トラップ内に髪の毛やゴミが溜まっていると、その髪の毛を伝わり溜まっている水が吸い上げられてしまいます。洗面台の排水Sトラップに多い現象です。
吸い出し作用
集合住宅などの場合、上の階で大量の水を排水すると、空気が引っ張られてドラップ内の水も引っ張られてしまうことがあります。自分の部屋で水を流していないのに、上階で流すとボコボコ音がすることがあります。こうした現象が起こらないように、通常は通気(空気の流れ)を良くするために通気管が設けられていますが、何らかの不具合により通気がされないことがあります。
二重(ダブル)トラップ
二重(ダブル)トラップとは水を排水して下水まで流れる間に、トラップが二箇所あることを言います。排水の流れが悪くなったり、ボコボコと音がしたり、封水が破られる場合があることから二重トラップは禁止されています。
現在二重(ダブル)トラップになっていても、流れや臭いに異常が無いのであれば、外桝の排水トラップは外さないほうが良いと思います。デメリットよりもメリットの方が大きいと感じています。
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防臭パッキンの経年劣化
防臭パッキンが外れていたり、劣化で変形していたりすると、排水口から臭いが上がってきます。防臭パッキンの役目はとても重要です。下記の記事をご覧ください。
【水まわりの悪臭の原因と対処方法】まとめ
悪臭の原因を調べるのは難しい場合が多々ありますが、水まわりの悪臭の原因は比較的わかりやすいです。排水管の悪臭の防ぎ方は単純で2つしか無いからです。「排水口にキャップをする」、「排水トラップに水を溜め封水する」この2つだけです。集合住宅では構造上の問題による原因もありますが、ほとんどの場合、この2つをチェックすれば解決することができます。排水トラップには水が溜まっているか?クリーンパッキンに隙間が無いか?をチェックしてみて下さい。