シールテープは通常テーパーネジに巻いて使用しますが、ちょっとした工夫で、主にトイレ洗浄管、洗面台排水トラップ、トイレ給水管の差し込み用パッキンの代用として使用することができます。ここで洗浄管の差し込み用パッキンの代用としてシールテープを使用する方法を説明しますが、他の箇所も基本は同じやり方になります。
差し込み用パッキンは以下の写真のとおり、パイプを差し込んで袋ナットを締め付ける箇所に使用されるパッキンです。通常は差し込み用パッキンを交換する場合、パッキンを引き抜くために管を脱着しないと交換できませんが、シールテープを応用すると管を脱着せずに修理することが可能です。
▲隅付きロータンクの洗浄管
▲壁付きロータンクの洗浄管
▲トイレ給水パイプ
▲洗面台排水トラップ
この記事を読んで分ること
自分で直す難易度
シールテープの応用方法が分かる
■ もくじ
シールテープを差し込み用パッキンの代わりにする基本形
step
1シールテープをよじる
平たいシールテープを捩り紐状にします。
step
2ねじを締め付ける方向に巻く
紐状にしたシールテープを半分に折り写真の用に通します。
袋ナットの位置で逆になる場合もあります。基本は袋ナットを締め付ける方向にテンションを掛かて巻けるように通します。
シールテープにテンションを掛けながら巻きます。あまり多く巻き過ぎると袋ナットに収まらなくなるので、パッキンの太さを目安に巻き付けます。
洗浄管の水漏れをシールテープで直す方法
隅付きロータンクの洗浄管は①~③に差し込み用パッキンがあり、袋ナットで固定されています。
使用する道具
- モーターレンチ
- シールテープ
①で水漏れした場合
モーターレンチで袋ナットを上側から見て時計回に外します。古いパッキンはカッターナイフやハサミで切断し取り除きます。樹脂のワッシャーはそのまま残しておきます。排水弁部に差し込んである箇所に、写真の様にシールテープを巻きます。
シールテープの全長は80cmくらいが目安です。袋ナットにギリギリ収まる程度に巻いて、余るようでしたら切断します。排水弁部の差し込み部分に、巻いたシールテープを隙間に押し込む感じで馴染ませてから、袋ナットを締めます。注意点は2つあります。
注意その1
袋ナットを緩めたり締めたりする時に排水弁部本体が供回りすることがあります。供回りすると排水弁部の取付箇所から水漏れしてしまうので、タンクの中に手を入れて、排水弁部の根元を押さえながら作業します。
注意その2
排水弁部のオスねじ箇所は金属製と樹脂製があります。樹脂製の場合、ねじ山に金属の袋ナットを山違いで締めてしまうと、ねじ山は削れてしまいます。ねじ山がダメになると水漏れの原因になります。ある程度手で仮締めしてからモーターレンチで本締めしましょう。
②で水漏れた場合
この箇所では特に注意することはありません。①と同様に直します。
③で水漏れした場合
この箇所には便器と洗浄管をつなぐスパットという部品が取り付けてあります。袋ナットが固着して回りづらくなっていると、スパットが供回りすることがあります。これも水漏れの原因になりますので、先にスパットのロックナットを増し締めしておくと良いです。締め込みは慎重に行います。
袋ナットが外れたら①②と同様に作業します。
スパットで水漏れした場合
スパットのロックナットを増し締めすると直る場合が多いです。但し、強く締め過ぎると便器内部で固定されている、スカートパッキンが外れることがあります。そのような場合はスパットを交換しましょう。
【裏ワザ!トイレ洗浄管の水漏れをシールテープで直す】まとめ
ここではシールテープを捩って巻いて、差し込み用パッキンの代用として使用する方法を説明しました。作業のポイントは以下のとおりです。
ポイント
シールテープが糸状になるように丁寧に捩る
袋ナットを締め付ける方向に巻く
袋ナットに収まる程度に巻く
巻いたシールテープを隙間に押し込むように馴染ませてから締める
わざわざシールテープを応用して使うよりも、パッキンを購入して修理すれば良い話ですが、急を要する場合や応急的に水漏れを直したい時にお試し下さい。