ロータンクの蓋を開けて中を見てみると、黒カビが生えてびっくりするくらい汚れています。一生懸命に掃除をしても中々キレイになりませんよね。新しいロータンクに交換しようと思っても、古いタイプの便器だと廃番で手に入らないし、便器のみの代替品もありません。
この記事を読んで分かること
ロータンクだけは交換できないことが分かる
■ もくじ
古いタイプのロータンクだけを交換するのは無理
古いタイプのロータンクで、割れた、内部の発泡スチロールが剥がれた、黒カビが酷く汚れが落ちないなどの場合、ロータンクだけを交換することはできません。
そのロータンクが現在も製造されていれば交換することも可能ですが、発泡スチロールが剥がれるなどのトラブルは、経年劣化によるものが多く、古いタイプのロータンクに多いトラブルです。しかし古いタイプのロータンクは廃番になっていることがほとんどです。また、代替品も無いため、便器一式をセットで交換することになってしまいます。
▲壁の角に設置された隅付きロータンクは、洗浄管で位置合わせが可能なので交換することができます。
通常の便器の工事
型番の違う便器に交換する場合、いちばん重要になるのが床の排水の位置です。現在市販されている便器では床の排水の位置がズレてしまうため、便器が壁から離れてしまい足元が狭くなることがあります。この様な場合は床を剥がして排水管の位置を移動する必要があります。便器とタンクの料金に加え、配管工事代、床のリフォーム代などが掛かります。
リモデル(リトイレ)便器の工事
古いタイプの便器から新しいタイプの便器に交換すると、床の排水管の位置と合わないことが多く、今まで壁にぴったりと設置されていたものが、前に飛び出してしまったり、そのせいでドアを開閉するのに邪魔になったりすることがあります。広いトイレであれば大した問題ではないでしょうけど、一般的なトイレでは困りますよね。
この様なケースに対応するために、リモデル便器というものがあります。既存の排水管の位置に合わせる事ができる便器です。リモデルというのはTOTOでの呼び名です。Lixil(旧INAX)ではリトイレといいます。
リモデル便器の良い点と悪い点
良い点
排水管や床などのリフォームをせずに設置が可能なため、低予算で済む。節水タイプの便器。
悪い点
詰まりやすい。節水タイプ。
リモデル(リトイレ)の良いところは、余計な工事を必要としない低予算に加え、節水タイプで水道代の節約になります。ところトイレの詰まりを何度も直した経験上、正直なところ詰まりやすい傾向にあります。通常の排便管は75mmから100mmの太さで配管しますが、上の写真で分かる通り、アジャスターが50mmと細い上に、余計な曲がりが2箇所増えるためです。
また、節水はメリットでありデメリットにもなります。新築でリモデル(リトイレ)便器を取り付けることは無いと思いますので、交換するのは必然的に古い建物になりますよね。建物が古くなってくると排水管内部には尿石などか付着したり、鋳鉄管を使用した集合住宅やビルなどでは管の内部にサビのコブができます。また、塩ビの排水管では途中でたるんでしまい勾配不良の場合もあります。
今までは普通に使えていたのに、節水タイプのリモデル便器に交換した途端に頻繁に詰まる様になったということが良くあります。ファイバースコープを管内に入れて排水テストをした事がありますが、約4Lくらいの節水タイプの便器を排水したところ、完全に流れずにペーパーが途中で滞留した状態を確認しました。2回~3回流してやっとペーパーが流れました。これが大便だと更に詰まりやすいことは想像できます。
【トイレのタンクだけ交換できない】まとめ
ロータンクの破損やひどい汚れが酷くても、古いタイプのロータンクのみを交換することはできません。交換が必要な場合は排水管と床のリフォームをして便器を交換するか、リモデル(リトイレ)便器に交換するかの二択になります。
リモデル便器の不満ばかりになってしまいましたが、スペースを生かして設置できるシステムをコンパクトにまとめ、更に省エネが推奨される昨今、最低限の水で流れる節水タイプを開発されたメーカーさんは素晴らしいと思います。更に便器から先の汚水管のことまで考えた便器ができたら素晴らしいですね。メーカーさん、宜しくお願い致します。
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