シングルレバー式の混合水栓は内部に水栓カートリッジが組み込まれています。このカートリッジに不具合が出ると、レバーを閉じても水がポタポタ止まらなかなったり、レバーの根元から水が漏れたり、動作が重くなったり、カクカクと作動に違和感が生じたりします。
この水栓カートリッジを交換すれば直ることなのですが、経年劣化したシングルレバー混合水栓の修理はかなり気を使います。
ワンホールタイプのシングルレバー混合水栓の下の方の胴回りに穴がある場合は、ワンホール水栓取り外し用締付工具という専用道具もありますが、水栓の裏側にスペースが無かったり、かなり固着していると外せないこともあります。
ここでは修理するよりもそっくり交換した方が、簡単だし長い目で見ればコスト的にも良いですよ!というお話です。
■ もくじ
理由その1 本体の分解が困難な場合が多い
新しい水栓なのにカートリッジに不具合が出たという場合は除外して、通常は経年劣化によるものがほとんどです。カートリッジが劣化するということは水栓本体も同じ様に劣化しています。
水栓カートリッジを交換する手順は、レバーを外してカートリッジを覆っているカバーを外せば交換できますが、劣化した水栓の場合、このカバーが固着して中々外れないことが多いです。
モーターレンチやパイプレンチで力任せに回すと、シンクに固定してある箇所から、本体ごと回ってしまうことが多々有ります。
給水と給湯のチューブパイプがよじれてしまい、折れ目が生じたり亀裂が入ったりしてしまいます。固着したカバーは、本体を手で押さえて回すなんてことはできません。パイプレンチやウォーターポンププライヤーなどで固定して外すと、本体が傷だらけになります。
理由その2 同じカートリッジを探すのが困難な場合がある
本体が古くて、貼ってある品番シールが無かったり消えてしまったりしていると、同じカートリッジを探すことは困難です。メーカーが分からないのは問題外です。
水栓カートリッジは一見同じような形に見えますが、どれもこれも合うわけではありません。また、あまりにも古いタイプの水栓だと、廃番になってしまい部品を手に入れることができません。
※比較的に新しい水栓や、メーカー、型番が分かる廃番になっていない水栓であれば、同じカートリッジを探すことは簡単です。
理由その3 劣化による別の不具合
ノズルが左右に振れる根元から水漏れしたり、ノズル先端の断熱キャップが破損したり、泡沫キャップの劣化で水が飛び散ったりします。このような水栓は本体もかなり汚れていますよね?漏れ続けたことで腐食もあります。
カートリッジを何とか交換できても、後々、別の箇所で不具合が出てきます。
理由その4 トータルでコストを考えると
水栓カートリッジの部品の金額はメーカーによってまちまちですが、TOTOやINAX製だとだいたい7~8,000円します。(高いものは10000くらいするものもありますが)
TOTOの標準的なワンホールタイプのシングルレバー混合水栓は、ネットで購入すると10000円くらいで購入できます。2ホールタイプだと12000円くらいです。
後々に別の箇所で不具合が出た場合、以前、カートリッジは手に入ったのに、すでに廃番になってしまい新たな部品が手に入らないかもしれません。手に入ったとしてもその都度部品を購入したら、新品の本体よりも高く付いちゃいますよね。
何よりも、固着した部品をやっとの思いで外して交換したのは良いけれど、キズだらけになってしまった物を使い続けるのは、ちょっと…ですよね。
失敗談
失敗エピソード
固着したカバーと一緒に本体が回ってしまい、シンク下でチューブがよじれてしまったことがあります。完全に折れ目が入ってしまいました。失敗談ではありませんが別のケースでは、やはり本体が一緒に回ってしまうため、本体ごと全てを脱着して、表面的に見えない箇所にパイプレンチを噛ませてガバーを無理矢理外したことがあります。給水と給湯のチューブパイプは銅管だったため、生かした状態で外すのも復旧するのもかなり大変でした。
まとめ
私の経験上、経年劣化したシングルレバー混合水栓のカートリッジを交換するよりも、新しい水栓に交換した方が断然楽にできますし、後々別の不具合で悩まされることもありません。
何よりも新品の水栓は気持ちが良いです。水栓カートリッジの交換方法を検索してここにたどり着いた方、水栓はどのくらいの古さなのか、カバーは容易に外せそうか、別の箇所は大丈夫か、を考慮して検討してみてはどうでしょうか。
シングルレバー混合水栓の交換方法はこちらの記事をご覧ください。
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