壁付混合水栓の取付脚や洗濯水栓などの単水栓取り外すと、壁の中で接続されている配管部品が一緒に外れてしまう事があります。これは持ち出しソケット(継ぎ足しソケット、ザルボ)という部品で、壁から蛇口に接続する際の長さ調整に使われ、ソケットの端を壁の面に合わせるために使われています。ここでは持ち出しソケットが外れてしまった時の対処方法について説明します。
この記事を読んで分かること
自分で直す難易度
持ち出しソケットが外れた時に対処方法が分かる
■ もくじ
なぜ持ち出しソケットを取り付けるの?
そこには多分二つの理由があります。
寸法調整のため
水道管には長い一本物の直管や最初から様々なサイズにカットされたものがあります。直管はネジ切り機を使って切断したり、ネジを切ったりします。配管の寸法に合わせて加工できるネジ切り機は大変便利ですが、短く加工するには限界もあります。
そこで、あらかじめ短くサイズ分けされている部品を使います。短ニップルと呼ばれている、35mm、50mm、75mm、100mm、150mmなど短いパイプです。これらの短ニップルと合わせて、壁の仕上げ面にネジの位置を合わせるために持ち出しソケットを使います。
水道管が外れるのを防ぐ?
短ニップルが壁の奥のエルボで外れてしまうと厄介です。短ニップルと持ち出しソケットのネジ山の寸法を比べると、持ち出しソケットの方が短いです。短いということは接続も浅いため、短ニップルよりも持ち出しソケットの方が外れやすいと言うことです。
水栓の交換時に、壁の奥の配管に負担を掛けずに、一番手前の持ち出しソケットで力を逃す効果もあるのではと考えています。
使用する道具
使用する道具
- パイプレンチ
- 六角棒レンチ(サイズは12mm)
- シールテープ
用意する部品
外れてしまった持ち出しソケットの寸法と同じものを用意します。外れた古い持ち出しソケットの再利用も可能ですが、経年劣化でネジ径が微妙に変わってしまうことが多いので、新しいものに交換するのが望ましいです。
持ち出しソケットを取り付ける
取付脚や単水栓と一緒に外れてしまった持ち出しソケットは破棄しましょう。
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1新しい持ち出しソケットにシールテープを巻く「
持ち出しソケットのネジにシールテープを巻きます。通常、取付脚や止水栓の両ねじ給水管にシールテープを巻く時は、シールテープがズレるのを防ぐために、ヘルメーシール(液状シール剤)を薄く塗布してからシールテープを巻くことがありますが、持ち出しソケットにはネジの先端2山にギザギザが入っていますので、シールテープだけでもズレて供回りする様なことはありません。
シールテープの巻き方については、こちらの記事で詳しく説明していますのでご覧ください。
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2持ち出しソケットを取り付ける
持ち出しソケットの内部は六角の形になっています。締め付ける時は六角棒レンチを差し込み時計回りに締めます。上の写真では長い柄の方を差し込む様に撮影していますが、短い方を差し込んだ方が、テコの原理で強く締めることができます。六角棒レンチのサイズは12ミリです。
【壁付水栓を外したら壁内の部品も一緒に外れてしまった場合の対処方法】まとめ
水栓の交換をしていて、あまり見たことが無い部品が外れてしまうと、慌ててしまうかも知れませんが、外れたら新しい持ち出しソケットを取り付ければ良いだけの話です。壁内で見えない場所だから不安になるだけで、組立家具のネジが外れてしまうのと同じ様なことです。万一、外れてしまった場合は、慌てずに落ち着いて取り付け直しましょう。