サンウェーブ工業(現在はLIXILの生産子会社)の古いタイプの流し台で、排水トラップの外径サイズが170mmというのがあります。このサイズが厄介で、万一、排水トラップが水漏れを起こした場合、排水トラップ本体は元より、パッキンすら入手することができません。既に廃番となり生産もされていなければ、在庫も残っていないのです。流し台はまだしっかりしているのに、部品が手に入らないから本体を買い換えるなんて勿体ないですよね。
■ もくじ
【解決策その1】ディスポーザーのフランジを利用する
1つ目の解決策として、170mmのシンクに取り付ける、ディスパーザー用のフランジを利用する方法があります。但しこの方法は、排水トラップを120mm弱のタイプに変更しなくてはいけません。ゴミ受けも小さくなるので、170mmと比べると使い勝手が悪くなるかも知れません。
上の写真は170mmのディスポーザー用のフランジを取り付け、114mmの排水トラップを取り付けたものです。本来はディスポーザーを取り付けるための部品なので、取り付けは上下からコーキングで固めるという原始的な方法になります。
排水トラップも交換したい場合は、この方法一択となります。
【解決策その2】170mmのパッキンを自分で作る
排水トラップからの水漏れの原因はパッキンの劣化によるものが多いです。排水トラップを外してパッキンを交換すれば直ります。ところが170mmのパッキンは廃番で手に入れることができません。
売っていないのなら自分で作っちゃいましょう。こうやれば作れるのではないか?ということで材料と道具を用意して、170mmのパッキンを作成してみました。結論から言うと、170mmのパッキンを作ることは可能です。
用意するもの
- ゴム板 2mm×200mm×200mm
- オルファ 円切りカッターL型90B
- クランプ
- 細工カッター
- 定規
- 白インクボールペン
- カッターマット
廃番になった170mmのパッキンの厚さが分からなかったため、現在、市販されている180mmや186mのパッキンの厚さと同じ、2mmの厚さで作ることにしました。1mmでは薄すぎるし3mmでは厚すぎます。
ゴム板は送料無料で一番安価なヨドバシカメラのネットショップで購入しました。ホームセンターも何軒かまわりましたが、厚さ2mmを置いているところは1件のみで、切り売りで1m単位の販売でした。「失敗するかも?」と不安な方は、練習用に1メーターの切り売りで購入した方が良いかもしれません。
円切りカッターでゴム板をカットする
▲まずはゴム板のど真ん中に印を付けます。
▲作業中にゴム板がズレないように端をクランプで固定します。私はクランプ1つで固定しましたが、2つあった方が作業がしやすいと思います。
中心からズレないように円切りカッターの固定ハンドルをしっかりと握り、ゆっくりカッターでカットしていきます。
▲切断中にミスを犯しました。
これがダンボールや薄いベニヤなどでしたらスムーズにカットできるのでしょうが、ゴムだと抵抗があってカッターの刃先がスムーズに動きません。途中、何回かゴム板がズレてしまいいびつな円になってしまいました。その後、一度失敗した原因を活かしてゴム板のズレに気を付けながら、170mmピッタリの円に修正しました。
ココがポイント
うまくカットするポイントは、ゴム板がズレないようにしっかりと固定して、ゆっくりと少しずつカットしていくことです。また、中心がズレないようにしっかり押さえます。
次に幅10mmを残して150mmの円をくり抜きます。絶対にズレないようにゴム板の裏面に両面テープを貼ることにしました。ゴム板は全くズレずに、スムーズにカットすることができました。
最終的に出来上がったのが▲の170mmパッキンです。細かい太さの違うところは細工カッターで修正しました。多少、いびつではありますが、十分にパッキンの役目を果たします。何回か作って慣れれば、もっと上手に作れると思います。
ポイントまとめ
- ゴム板はズレないように両面テープで固定する。(※但し、カッターマットの掃除が面倒)
- 円切りカッターの中心がズレないようにしっかりと押さえる。
- 10mm幅で切断する特は最初の中心からズレないようにする。
切断のポイントはとにかくゴム板がズレないように切断すると言うことです。これさえ気を付ければ簡単に170mmパッキンを作ることができます。ぶっつけ本番で作ってみたので出来はイマイチでしたが、丁寧に作業すればけっこう簡単に作れる思います。参考にしてみて下さい。