洗面台の排水トラップには床の排水管と接続するSトラップと、壁の排水管と接続するPトラップの二つのタイプがあります。サイズは25mm、32mm、38mmなどがあり、材質はそれぞれ黄銅(メッキ加工)、樹脂(ポリエチレン、ポリ塩化ビニル)などがあります。
今回は樹脂タイプのトラップのジャバラを交換する方法を説明します。ジャバラの部品名は各メーカーにより違います。サンエイ、カクダイではトラップ用ジャバラ、ミヤコではU管付ジャバラホースという呼称です。
この記事を読んで分かること
自分で直す難易度
洗面台の排水トラップ用ジャバラの交換方法が分かる
■ もくじ
ジャバラホースの経年劣化による変化
ポリ塩化ビニールのジャバラホースは元々は柔らかい素材ですが、長年使用していると経年劣化により硬化して縮んできます。洗面台だけでなくキッチン流し台の排水ホースも同様です。
ジャバラホースが縮んでしまうと
ジャバラのホースが硬化して縮むと、排水管にはめてあるクリーンパッキン(防臭パッキン)が引っ張られて外れてしまい、排水管からの臭いが漏れてしまいます。
また、ジャバラが硬化すると、排水管とジャバラが接っしている箇所に亀裂が入りそこから水漏れしたり、ジャバラが一部が千切れて、排水管の中に宙ぶらりんの状態になることがあります。更に完全に千切れてしまうと、千切れた先端が排水管の中に落ちてしまい、詰まりの原因にもなります。
通常は短過ぎず長過ぎずに切断してジャバラホースを差し込みますが、床の排水管の位置が大幅にズレていると長さがギリギリで、差し込みが浅い場合があります。
新しいうちはホースに柔軟性があるので、クリーンパッキン(防臭パッキン)で固定されていればこれでも大丈夫だったのでしょうが、劣化でジャバラホースが縮むとクリーンパッキンが完全に外れてしまい、排水管から完全に抜けた状態になってしまいます。この状態で階下にジャバジャバと水漏れした現場に何回か遭遇したことがあります。
この様に気が付かないうちに酷い状態になっていることがあります。ジャバラを摘んでみて硬くなっていたら交換のサインです。
使用する道具と材料
必要なモノ
- 洗面器などの水受け
- ウエスやタオル
- トラップ用ジャバラ(32mm)
- クリーンパッキン
トラップ用ジャバラを交換する
上の写真はジャバラタイプではありませんが、水抜きが付いているタイプはキャップを上から見て時計回りに外すと溜まった水を抜くことができます。下に水受けを置いてください。
トラップ内の水が抜けたら(または水抜きが無い場合)、下のS字部分を手で押さえながら袋ナットを反時計回りに外します。ポリエチレン材質の排水トラップは手締めで取り付けてあるので、工具を使わなくても手で外せると思います。
水抜きが付いていない場合は、排水管からホースを引き出す前にS字部分を倒して、内部に溜まっている水を洗面器などに出します。
上の写真の様にジャバラが差し込める程度の穴が開けてある場合は収納の底板を外して作業を行います。キッチン流し台の様に排水プレートが付いている場合は底板を外さなくても作業することができます。
ジャバラを外したら固定しているビスを外し、作業ができる程度に底板を上までズラします。新しいトラップ用ジャバラを仮で取り付けてみて、ジャバラ部分の丁度良い長さを計ります。
長過ぎると排水管の曲がりに当たってしまうので、長過ぎず短過ぎずで切断します。
まず新しい袋ナットとパッキンをパイプに通します。
▲今後、クリーンパッキンなどの点検がしやすいように、板を切断して排水プレートを取り付けました。
次にジャバラホースに排水プレートを通してから、防臭パッキンを取り付けてホースを差し込み、袋ナットを手締めで締めます。
ココがポイント
この時、仮でジャバラ用トラップを取り付けて、実際に排水管に差し込んでみて、防臭パッキンがどの位置にくるのかを確認します。クリーンパッキンをジャバラに通すときは、少し上の方まで通して、下げながら調整した方が、排水管にピッタリとはめやすいです。
ジャバラホースを差し込みクリーンパッキンを固定したら、底板を下げて再度ビスで固定します、
【洗面台排水Sトラップのジャバラを交換する方法】まとめ
工程の写真が少なく、文字だけの説明になっている箇所が多々あるので、分かりづらいところがあると思いますが、簡単に言えば袋ナットを一箇所外して、新しいジャバラ用トラップに交換するでけの作業です。作業自体はとても簡単です。ちょっと手こずるところがあるとすれば、クリーンパッキンをしっかりと排水管にはめた状態で、いかにジャバラホースがピッタリ収まるか、くらいです。
以上、洗面台のトラップ用ジャバラ交換のお話でした。早速、ジャバラを掴んで点検してみてくださいね。