現在は既に廃業していますが、MYMという水栓金具メーカーがありました。MYMの水栓金具は独自性のある部品が多いため、修理で困っている方も多いのではないでしょうか。現在、旧MYMの部品は水栓金具メーカーのKVKが供給を行っていますが、部品の在庫が無くなった時点で修理ができなくなります。その場合は他のメーカーの水栓金具に交換することになります。まだ供給されている部品はネットで検索すれば購入することは可能です。
ここではMYMの2ハンドル混合水栓の水漏れについて、他社の部品に代用が可能な修理について説明します。
この記事を読んで分かること
自分で直す難易度
MYM2ハンドル混合水栓のハンドルからの水漏れを直す方法が分かる
代用部品について分かる
■ もくじ
MYM2ハンドル混合水栓の水漏れの特徴
MYM2ハンドル混合水栓の水漏れでよくあるパターンは、ハンドルを回すとスピンドルの根元から水漏れするというトラブルが多いです。原因はスピンドルに装着されているオーリングの劣化です。他メーカーの水栓であれば、このような水漏れの場合は上部パッキンを交換するのですが、MYMは独自性のある構造なのでオーリングを交換します。この箇所以外でもオーリングがよく使われてます。
使用する道具
使用する道具
- モンキーレンチ
- ピックツール(オーリングピックツール)
使用する部品
MYM2ハンドル混合水栓の水漏れを修理する方法
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1止水栓を閉める
始めに止水栓のハンドルを時計回りに閉め水を止めます。
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2ハンドルを外す
ハンドル中央のキャップを外し、固定しているビスを半時計回りに外します。古い水栓の場合、ネジが固着して回らないときがあります。無理に回そうとすると、簡単にネジの頭の溝がナメて(潰れて)しまい、ドライバーでは回せなくなってしまうことがあります。ドライバーの先端をネジの溝に合わせて力を入れて一気に回しましょう。
ネジの溝の大きさに合った#2のプラスドライバーを使って外します。
ココがポイント
ドライバーを使う時の力の配分は。押す力が7で回す力が3です。
ネジの頭の溝が潰れてしまったら、こちらの記事をご覧ください。
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3上部スピンドルを外す
ハンドルを外したあとの上部に対辺をモンキーで挟める箇所があります。一般的な袋ナットは簡単に回すことができますが、MYMのこの箇所はかなり強いトルクで締め付けてありますので、モンキーレンチをキッチリと合わせて、反時計回りに「グッ!」と力を入れて回します。大きめで持ち手の長いモンキーレンチを使用すればテコの原理で回しやすいです。
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4スピンドルを外しオーリングを交換する
上部を外してスピンドルを反時計回りに回し一式を取り外します。次にスピンドルを回しながら引き抜きます。多少抵抗があるので、左右に動かしながら反時計回りに引き抜きます。次にスピンドルに装着されているオーリングを外します。爪で外すのはかなり困難なのでピックツールで外します。
交換するオーリングはホームセンターで購入することができます。サイズは「10A」がピッタリ合います。新しいオーリングを装着し、上部を外した逆の手順で水栓本体に取り付けます。ついでにコマパッキンも新しい部品に交換しましょう。
ココがポイント
一般的な2ハンドル混合水栓の袋ナットは、締め過ぎず緩過ぎず丁度良い塩梅で締めますが、MYMの水栓は最後までトルクを掛けて締めます。
スピンドルも老朽していたら
2ハンドルタイプのハンドル根元からの水漏れは、ほとんどの場合オーリングの交換で直すことができますが、スピンドルのネジ山が摩耗しているようでしたら、上部一式を交換しましょう。
品番はKP600、KP608、KP609、KP636、KP637があります。一見同じ様に見えますが水栓の機種により適合する部品が違います。水栓に貼付されている品番を元に分解図を検索し、適合する部品を購入しましょう。
スピンドル以外の箇所の水漏れ
MYMの場合、他の箇所にも様々なサイズのオーリングが使用されています。その都度、ホームセンターで購入し試してみましたが、微妙に厚みが違うものもありました。とりあえず水漏れは止まったりしましたが、スピンドルのオーリング以外はKVK供給のものを購入した方が良いです。
【MYM混合水栓の水漏れを修理する方法】まとめ
2ハンドル混合水栓以外、シングルレバー混合水栓やシャワーの部品など、様々な修理用部品がKVKから販売されていますが、追加生産は行わず在庫がなくなり次第廃番になると思われます。また、水栓本体の型番が分からないと適合する部品を探すのは困難です。その場合は他のメーカーの水栓に交換しましょう。お湯側と水側の間のサイズ(芯々のサイズ)が同じであれば、どのメーカーの水栓も取り付けることが可能ですし、今後のメンテナンスも部品探しで悩むことは無くなります。