アパートやマンションなどの集合住宅にお住まいの方で、「下の階へ水漏れしてしまった」、「ユニットバスの天井から水が漏れた!」という経験は無いでしょうか。また、このような物件の管理会社の方、大家さん、お困りではないでしょうか?またまた、退室後に掃除に入ったハウスクリーニング業者の方、ユニットバスを清掃していて下の階に水漏れしてしまったことはありませんか?
ユニットバスの下の階への水漏れの原因には、専門家じゃなくてもチェックできる5つのポイントがあります。業者に依頼する前に点検してみましょう。
■ もくじ
上水なのか排水なのか見極める
水やお湯を使用しているときだけ漏れるのか、使用していないのに「ポタ、ポタ、ポタ・・・」と一定の間隔で漏れ続けるのか?で、まずは上水の漏れなのか、排水の漏れなのかを判断します。
給水管や給湯管の水漏れの場合は、水道メーターのパイロットが回っているか回っていないかで判断することもできますが、しみ出る程度の漏れだとパイロットで判断できない場合もあります。その場合は後述する⑤の項目で確認できます。
自分で確認できる5つの原因とは
①浴槽排水栓の取付けヒートン
写真ではちょうど浴槽の真裏になりますが、排水栓のチェーンが繋がっている取付けヒートンから漏れることがあります。ヒートンが緩んでいたりパッキンが劣化していると、ヒートンが取付けてある穴から浴槽の裏へ漏れます。ヒートンより上の位置までお湯を張ったり、お湯に浸かった時に水位が増すと漏れ出してしまいます。
ここに不具合がある場合は、ヒートンを触ってみるとグラついたり動いたりするので、すぐに分かると思います。
②台付混合水栓の取付け箇所
水栓を固定している締め付けナットの緩みやパッキンの劣化などで、水栓本体と浴槽の隙間から漏れます。水栓本体にシャワーの湯水が掛かったり、浴槽から溢れたお湯水や水栓本体から漏れた湯水が隙間に入ります。
ここに不具合がある場合は、水栓本体を上下左右に力を加えてみて、僅かでも動くようならここが原因の可能性が高いです。確実に見極めるには⑤の点検口を開けて、裏から確認することができます。
③点検口の隙間
浴槽の側面にある点検口は、台付混合水栓の交換やユニットバスの裏側を点検するためのものです。この点検口のカバーを外すと水漏れしないように固めのウレタンやパッキンが付いているのですが、経年劣化により役目を果たさなくなることがあります。
点検口に湯水が掛かると、上側の隙間から入り込み水漏れを起こします。これが原因による水漏れは過去に何度も遭遇したことがあります。
④排水トラップの緩み
排水トラップには髪の毛がよく詰まります。排水筒を外して掃除をした時に、排水筒が固くて中々外れなかったことは無いでしょうか。固着した排水筒を外そうとすると、トラップ本体が一緒に共回りしてしまうことがあります。共回りすると接続箇所に僅かな緩みができます。緩んでしまうとパッキンが効かなくなり水漏れを起こします。
こちらの記事を参考にして下さい。
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⑤点検口を開けて確認する
点検口のカバーを外すと様々な点検をすることができます。まず始めに確認する箇所は混合水栓に接続しているフレキ管です。フレキ管とはジャバラのフレキシブルな銀色のパイプです。このフレキ管のパッキンが劣化すると水漏れを起こします。漏れている場合は大概目視で確認できます。滲むように漏れていると目視では分からない場合もあるので、フレキ管の端から端まで触って湿っていないか確認します。
次に内部をライトで照らしながら確認します。水栓の裏側、床の排水トラップの接続箇所、ユニットバスの床下など、見えづらいところは小さな鏡を使って確認します。水のシミができていないかも確認します。
まとめ
①から⑤については自分でも確認できる箇所です。賃貸のアパートやマンションにお住まいの方は、故意に起こした不具合ではなく設備的なことなので、ちょっと怪しいと思ったら、管理会社や大家さんに相談した方が良いですね。
また、ハウスクリーニング業の方は清掃する前の確認は必須です。排水トラップの緩み、点検口の隙間、ヒートンの緩み、水栓と浴槽の間は要注意です。清掃中に下の階へ水漏れを起こしたとの依頼を受けて、何度も現場に伺ったことがあります。補償問題にも発展しかねないので気を付けてください。