便器を脱着する時に、床に固定しているボルトのキャップを外してみると、ナットが錆び付いて回らないことがあります。さらに酷くなるとキャップの中で錆が大きな塊になり、キャップに張り付いてボロボロになってしまうことがあります。
錆びついたナットは外すことが困難なので、ナットを割って取り外す工具について説明します。
この記事を読んで分かること
自分で直す難易度
錆びついたナットの外し方が分かる
ナットブレーカーの使い方とコツが分かる
■ もくじ
フランジボルトやナットが腐食する原因
上の写真のようにボロボロに腐食している場合、ほとんどの原因は便器と床の間に取り付けてあるPシールガスケットの劣化です。これは水漏れしないように取り付けてあるパテのような部品ですが、経年劣化により役目を果たさずにジワジワと水漏れしてしまうことがあります。その少量の水と湿気によりフランジボルトも少しずつ腐食してしまいます。
腐食して外せないナットを割って外す
ナットが回せないなら割ってしまえ!というのがナットブレーカーです。ナットのサイズに合わせて数種類の大きさがありますが、フランジボルトのナット(通常13mm or 14mmもあり)に使いやすいのは品番NB-2です。
使い方はかんたんです。ナットの平面に刃の先端を合わせて、手締めで軽く固定して、お尻の部分をモンキーやラチェットレンチで締めていくと、パチンっと音がしてナットに亀裂が入ります。
モンキーレンチやスパナでも締めることはできますが、板ラチェットが一番相性が良くて使いやすいです。
写真では錆びていないナットで説明していますが、実際に錆びついているナットを割る時は、マイナスドライバーなどである程度サビを取ってから作業します。
次に亀裂が入った箇所の対辺を同じように割ります。そうすると気持ちよくナットが真っ二つに割れます。あとはボロボロのワッシャーを外せば、便器を取り外すことごできます。
ココがポイント
キレイに真っ二つに割るコツは、ナットブレーカーの刃が、ナットの面全体に当たるように締め付けるのがコツです。ナット面の2/3とか3/4とか刃が当たっていないと、キレイに割れません。
最初にこの道具を使ったときは、便利な道具があるもんだなと感心しました。割ったナットと錆び付いたボルトは新しいものに交換します。部品名は大便器用床フランジ取付ボルトです。
大便器用床フランジ取付ボルトは職人向けのホームセンターでは単品で売られていますが、一般的なホームセンターでは置いていないところも多いです。床フランジ一式のセットでしたら置いてある店も多く、交換が必要なPシールガスケットや床フランジ取付ボルトもセットになっていますので、急いでいる場合はセットごとの購入をおすすめします。日にちに余裕があればネットでの単品購入をおすすめします。
【便器のナットが錆びて外せない対処方法】まとめ
ナットブレーカーは一般の方にとって一生で何回使うだろう?というような道具ですが、便器脱着でフランジボルトが錆びついていれば無くてはならない道具です。電動サンダーや金鋸で切断できないこともないですが、便器を傷つける可能性が高いです。水まわりの修理は器具を傷つけずに簡単にキレイに作業するということが大切なので、一つ持っておくと良いかと思います。使い方のコツは、ある程度ナットサビを落として、ナットブレーカーの刃をナットの面にしっかりと合わせて割るということです。斜めになっていたり、サビのコブが邪魔をしているとキレイに亀裂が入りません。それさえ気をつければこんなに便利な道具はありませんよ。