洗面台、キッチン流し台、浴室など、台付(デッキタイプ)の水栓を交換する場合、有ると無いとでは作業効率に雲泥に差が付く道具があります。それは「立形金具しめつけ工具」です。モンキーレンチやドライバーなど、水まわり以外でも幅広く使える道具とは違って、使用箇所は極めて限定的になりますが、なくてはならない道具になります。
■ もくじ
立形金具しめつけ工具
この道具はその名前のとおり、縦に締め付けてあるロックナットや袋ナットなどの金具を、外したり締め付けたりする道具です。
水まわりの水栓の修理では、流し台の収納内、洗面台の収納内、または厨房のシンクの裏側など、狭い場所での作業がほとんどです。狭いところに潜って取付箇所を見てみると分かりますが、手がやっと入るくらいの狭さで、短いモンキーレンチでさえ作業ができないような場合もあります。
特に小さなタイプの洗面台になると、給水管や給湯管の袋ナットを外すのもかなり窮屈な作業になります。
更に古い水栓の交換になると、上の写真のように座金(波打ったワッシャーのような部品)が錆びついて腐食していることが多いため、ロックナットと固着して外せないということがよくあります。
写真はカクダイというメーカーの立形金具しめつけ工具のセットです。ヘッドを交換することで様々なサイズのナットに対応できます。立形金具しめつけ工具という呼称はカクダイの製品名です。
TOTO、Lixil(旧INAX)、サンエイ、KVK、カクダイ、ミヤコなど、各メーカーから専用工具が販売されていますが、その水栓に適合するしめつけ工具が必要になります。例えばワンホールタイプのシングルレバー混合水栓のロックナットを例に上げると、TOTOでは37mm、46mm、旧INAXでは38mm、カクダイでは30mm、36mm、37mm、38mm、46mmなどサイズは様々です。
対応するナットのサイズ
立形金具しめつけ工具セットにはアダプターが7つ用意されていて、12サイズのナットに対応します。アダプターのサイズは、23・24・24(深)・25・28・30・37・38・46・47ミリ及び馬蹄用締付ナットアダプターは13・18ミリ用です。(馬蹄用締付ナットとは、上の画像の長い締め付けナットのことです。)
狭く高さのある箇所でもハンドルのアームを延長すことができます。
【2022年7月28日 追記】
ここで紹介している立形金具しめつけ工具セットは旧製品となり、現在はアダプターが8つで14サイズに対応します。アダプターのサイズは、23・24・24(深)・28・30・32・36・37・38・46・47ミリ及び馬蹄用締付ナットアダプターは13・18ミリ用です。カクダイ、YuKoのみで採用されていた25ミリが無くなり、カクダイとYuKo用の32ミリと36ミリが追加されています。馬蹄用締付ナットアダプターは変わらず13・18ミリ用です。
各メーカーのサイズについてはこちらの記事をご覧ください。
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このセットいくらするの?
カクダイのホームページで確認したところ、定価で44,000円(2022年7月28日現在)です。Amazonでは26,000円台で販売されています。同じ規格のセットでサンエイから販売されているものは17,000円台なので、サンエイのセットがおすすめです。
【台付(デッキタイプ)混合水栓を交換するために必要な道具】まとめ
立形金具しめつけ工具は、台付水栓の交換や修理を行うためには必要な道具ですが、作業箇所の高さ(長さ)に問題が無ければ、DIYでの使用にはセットは必要ないと思います。対応するメーカー別のサイズを説明しましたが、ワンホールタイプのシングルレバー混合水栓を交換する場合は、そのサイズに対応するものを購入すれば充分だと思います。単水栓や2ホールタイプの混合水栓の場合、殆どのメーカーでロックナットは24mmで統一されていて、接続するフレキナットは殆ど23mmなので、それに合わせて購入すれば良いと思います。一つで23mmと24mmに対応するものもあります。