昭和の時代、排水管は一般家庭でも陶管が使われていました。朱色の陶器の管ですね。この陶管が使われていた頃は、流し台からストレートな配管が多かったため、排水管が詰まるということがほとんど無かったそうです。最近でもたまに目にすることがありますが、現在はほとんどの場合塩ビ管が使用されています。塩ビ管の方が軽くて加工もしやすいですし、保管も簡単、陶器よりも破損しづらい、水の流れもスムーズでコストも安いという理由です。
この記事を読んで分かること
重要度
排水トラップの重要性が分かる
■ もくじ
陶管は害虫と悪臭が上がってくる
詰まることは少なかったという陶管ですが、破損しやすいため潰れて土砂が流入したり、排水トラップが無いためネズミが侵入し、そのまま息絶え、途中に詰まることがありました。
むかしのバランス釜の浴槽は、コンクリートの上に置いてあるだけだったので、その下の排水口と外の下水桝を、ネズミが自由に行き来していました。ゴキブリやハサミムシも入り放題です。田舎の祖父母の家に泊まりに行くと、風呂場にカマドウマ(便所コオロギ)が居たのもこれが原因でしょう。(今でも下水桝のフタを開けると見掛けることがあります。)
また、ネズミや害虫が行き来できれば下水の臭いだって上がってきます。
詰まりづらくするのか、悪臭や害虫を防止するのか
詰まりづらくするために排水エルボを外しているのをたまに見掛けます。実際に詰まりづらくなるのは確かです。ただし、排水トラップを外してしまうとネズミ、ゴキブリ、チョウバエが入ってきます。当然、下水臭も上がってきます。(上の写真を見れば想像できると思います。)
最近の建物で塩ビ管なのにトラップがないケース
各自治体にもよりますが、最近の建物は詰まりの防止と排水をスムーズに行うために、二重トラップにならないように直接放流する配管が多くなっています。マンションなどでは外桝にトラップを付けていません。(古いマンションでは例外もあり)戸建ての住宅でもこのような配管が増えてきました。
この場合は、室内にトラップも設け封水するようなってます。キッチン、風呂、洗濯、洗面台、トイレなどは常に水が溜まっていることで封水しています。また、排水管と排水ホースの接続箇所には防臭のためのキャップやパッキンが取り付けてあります。
これで通常の使用では臭いを防ぐことができます。ただし、ネズミやゴキブリは直ぐ下まで入って来ることができる状態です。また、キッチンのゴミ受けとトラップを外すと当然臭いがします。ハートの形をしたチョウバエが出てくることもあります。
【排水トラップを外すとゴキブリとネズミと悪臭が上がってくる】まとめ
ネズミは縦管を登れるの?と思いますよね。排水管に差し込んである排水ホースを登ってきます。防臭キャップやクリーンパッキンでしっかり固定してあれば室内にまで侵入してくることはありませんが、実際に経験した話として、排水ホースが食いちぎられて針金だけになった状態を何度か見たことがあります。また高圧洗浄機で浴槽の下で死んだネズミを取り出したこともあります。
外桝の排水トラップを「取り付ける」と「外す」では、それぞれにメリットとデメリットがあります。詰まりづらくするのが良いのか、衛生面が良いのか、個人的には衛生面を考えて排水トラップ取り付けを推奨します。