トイレの止水栓はとても重要な箇所です。突然トイレの水が止まらなくなった時に閉めたり、ボールタップなど部品を交換する時にも閉めなくてはいけません。ここではトイレの止水栓を交換する方法を説明します。滅多に交換する箇所ではありませんが、自分で交換してみたいと言う方は参考にして下さい。
今回交換する止水栓は旧INAXの止水栓です。止水栓ドライバーで閉めても水が完全に止まらず、閉めようとしても硬くて回しづらい状態です。元々このタイプの止水栓は使い勝手がわるいので、ハンドル式の止水栓に交換します。

もくじ
トイレの止水栓を交換する方法|止水栓には二つのタイプがある
止水栓の閉める箇所はドライバー式やハンドル式などがありますが、止水栓自体の形には二つのタイプがあります。床から立ち上がっている給水管に取り付けるストレート止水栓、壁から出ている給水管に取り付けるアングル止水栓です。
今回はストレート止水栓の交換方法ですが、位置が変わるだけで、アングル止水栓の交換方法も基本的には同じです。
トイレの止水栓を交換する方法|用意する道具と部品
- ハンドル式の止水栓(一番使い勝手が良い止水栓です。)
- パッキン×3(呼び13)
- モンキーレンチ
- パイプレンチ
- ピックアップツール
- シールテープ
ウォーターポンププライヤーはメッキ部品にキズを付けてしまうためオススメできません。特に袋ナットの締め付けはNGです。
トイレの止水栓を交換する方法|古い止水栓を外す
普段はボールタップ等を交換する時に閉める止水栓ですが、今回はこの止水栓自体を交換するので、まずは大元の水道(量水器)メーターのバルブを閉めます。
step
1水道メーターを閉める
step
2タンクのフタを外す
ボールタップと接続しているホースの袋ナットを外します。ゴムに挿し込んであるタイプはゴムを外します。
ココに注意
この時、フタの手洗い管を持ちながら作業してはいけません。プラスチックの手洗い管だと、根元から抜けてしまったり折れてしまうことがあるため、必ずフタを持ちながら外しましょう。
step
3トイレの給水パイプを外す
ボールタップと接続している袋ナットをモンキーで反時計回りに回して外します。壁の方に回す感じです。
ココに注意
この時、必ずボールタップを片方の手で抑えながら袋ナットを外します。袋ナットが固く閉まっていると一緒に回ってしまうこともあり、ボールタップがタンク内の壁に当たり破損してしまうことがあるためです。
次に止水栓に接続している袋ナットを反時計回りに外します。
ココに注意
パイプ内には水が残っているので、水浸しにならないようにタオルや雑巾で養生しましょう。
step
4ウォシュレットの止水栓を外す
ウォシュレット等の温水洗浄便座が取り付けてある場合は専用の止水栓を外します。ウォシュレットに接続しているチューブやホースは外さなくも作業できますが、外した方がその後の作業がしやすいです。
トイレの止水栓をモンキーで固定しながら、ウォシュレット止水栓の袋ナットを反時計回りに外します。
step
5止水栓を外す
▲止水栓を外す時はメッキ給水管が一緒に回らないように、パイプレンチをこの向きで噛ませます。
床から立ち上がっているメッキ給水管が一緒に回らないように、メッキ給水管を固定しながら止水栓を反時計回りに外します。固定する道具はパイプレンチです。握力に自信があればウォーターポンププライヤー等で固定することも可能ですが、パイプレンチの使用がベストです。
ココがポイント
パイプレンチで給水管を固定する位置は、根元付近の化粧カバーで隠れるところで固定しましょう。給水管の途中にパイプレンチを噛ますと、メッキに目立つキズが付いてしまい、残念な見栄えになってしまいます。
片手でパイプレンチをしっかり押さえて、もう片方の手で古い止水栓を反時計回りに外します。
トイレの止水栓を交換する方法|新しい止水栓を取り付ける
step
1給水管にシールテープを巻く
古いシールテープをきれいに取り除き、新しくシールテープを巻きます。この時、Oリングピッカーがあると取りやすいです。
シールテープの巻き方についてはこちらの記事を参考にして下さい。
-
解決!シールテープの巻き方と巻く方向
水まわりの修理を自分でやる上で、必ず覚えておきたいことは、シールテープの巻き方だと思います。主に壁取り付け ...
続きを見る
step
2新しい止水栓を取り付ける
▲止水栓を取り付ける時は、パイプレンチをこの向きで噛ませます。
片手でパイプレンチをしっかり押さえて、もう片方の手で新しい止水栓を時計回りに取り付けます。手である程度締め付けてからモンキーレンチで増し締めすると作業が捗ります。
ウォシュレットの止水栓やホースと干渉しないように、ハンドルの位置を調整します。止水栓の取り付けが完了したらハンドルを閉めます。水道メーターのバルブを開いて水漏れが無いか確認しましょう。水漏れが無ければ水道メーターのバルブは開いたままにします。
パイプレンチを使用すると噛んだ跡が残りますが、メッキのカバーにより見えることはありません。
step
3ウォシュレットの止水栓を取り付ける
▲上の写真では撮影しながら作業しているため片手作業になっていますが、実際には止水栓が動かないように、モンキーレンチで下の止水栓を押さえながら締め付けます。
step
4給水パイプを取り付ける
上下の袋ナットを締め付けます。今までの作業同様に、下の袋ナットの締め付けはウォシュレット止水栓を押さえながら、上の袋ナットの締め付けはボールタップを押さえながら行います。
ココに注意
ボールタップの位置と微妙にずれて袋ナットが回らない場合は、ボールタップのナットを緩めてあげると、締め付けがスムーズに行なえます。写真のような樹脂製の接続の場合、位置がずれているのに無理にねじ込むと、ネジ山が削れてしまうので要注意です。
ココがポイント
給水パイプやウォシュレット止水栓の古いパッキンは、全て新しいパッキンに交換しましょう。古いパッキンを再利用すると水漏れの原因になります。
step
5最後の確認
すべての接続が完了したら止水栓のハンドルを少しずつ開きます。給水パイプの上下の袋ナット、ウォシュレット止水栓の袋ナットから水漏れしないか確認します。また、ボールタップも正常に止まるか確認しましょう。
トイレの止水栓を交換する方法|一番気を付けること
止水栓の交換で一番気を付けるポイントは、メッキの給水管をパイプレンチでしっかりと固定することです。一度緩んでしまったら取り付け直しをしなくてはいけません。床の上で接続箇所が見えれば良いですが、床下で接続してあるとやっかいです。
もしもメッキの給水管が回ってしまった場合、左のようにソケットが床上に露出していれば、ソケットにパイプレンチを噛ませて接続し直しは容易にできますが、右のように床下で接続してある場合だと、ソケットごと回ってしまったり、更にその先のエルボで回ってしまうこともあります。パイプレンチで押さえることができないので、最悪床下に潜って作業しなくてはいけません。床の上から増し締めすれば大丈夫な場合がありますが、やっぱり水漏れが無いかを確認したいところです。今回の現場では床下で接続してありました。
このように困らないように、パイプレンチでしっかりと固定して作業しましょう。
